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60日間スプーン2杯分のココナッツオイルを食べ続けた男性、脳内でこんなことが起こった。
アメリカ人の医学博士メアリー・ニューポートは、ココナッツオイルの脳への効果を信じている学者の一人です。ニューポート医師によれば、スーパーフードとして近年注目を集めているココナッツオイルには、「不治の病」といわれる認知症を予防・改善する効果があるというのです。彼女は2008年に「アルツハイマー病の治療法があるのに、誰もそれを知らないとしたら?」と題したレポートを公開、後に本を執筆しています。
背景
ニューポート医師が認知症に関する調査と研究を始めたのは、愛する夫のスティーブが若年性アルツハイマーと診断されたことがきっかけでした。日を追うごとにスティーブの症状はひどくなり、やがて自分で生活する能力を失うところまで症状は進行していました。
「ナイフやフォークを見つけられず、冷蔵庫の開け方も忘れていました。電話がかかってきても、彼は誰もかけなかったと言ったり、2日後に突然思い出したりするのです」
意思決定の力が失われていく夫の姿を見るのは、もどかしく、大変辛いことだったといいます。
スティーブは病気の進行を抑える薬を摂っていましたが、鬱状態に陥り、体重が激減するなど、その副作用は重いものでした。庭仕事をしながら、突然の悲しみに襲われている夫の姿をニューポート医師は辛抱強く介護しながら、夫のためにあらゆる治療法を模索していました。
やがてスティーブは単純な計算が出来なくなり、日常の簡単な作業も非常に困難に感じるようになります。
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新薬の治験に夫を参加させようとしたこともありましたが、病状が進行しすぎているスティーブは参加資格を得ることができませんでした。
しかし、短期記憶がどんどん悪く中でも、メアリーは夫の脳が情報をしっかりと記憶していることを認識していました。スティーブは時々数日前に起こったことについて、まるで今起こったかのように話すことがあったからです。
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希望
そんな中、ニューポート医師は、中鎖脂肪酸「AC-1202」がアルツハイマー病の進行を抑える可能性があることを示唆する医療食品のプレスリリースに出会います。
そこには、「ケトン体」を増やす食事が、アルツハイマー病や脳血管障害やパーキンソン病やハンチントン病など神経変性疾患の改善に有効であることが書かれていました。ケトン体とは、体内のブドウ糖が足りなくなると、脂肪が燃焼される過程で肝臓で作られるアセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸という、3つの物質の総称で、ブドウ糖の代わりに脳のエネルギー源となると言われています。低炭水化物の食事と肝臓ですぐに分解される中鎖脂肪酸の摂取によってケトン体を大量に産生することで、アルツハイマー病など体から炭水化物(ブドウ糖)を使う能力を奪う脳神経系の病気の進行を抑えることができると紹介されていたのです。
ニューポート医師は、スティーブで早速試してみることにしました。
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結果
ニューポート医師はスティーブに、中鎖脂肪酸を含む油であるココナッツオイルを、毎日少なくとも大さじ2杯半食べさせることにしました。すると目に見える変化がすぐに表れてきたのです。
数日のうちに体の震えが収まり、顔に生気が表れたといいます。そして60日後には、思考力が飛躍的に向上し、ジョークを言ったり、会話が弾むようになったといいます。たまに言葉を忘れることはありますが、昔忘れていた人の顔も思い出せるようになり、自分のやっている作業にも集中できるようになり、食事療法を初めてから1年後、スティーブに別人のようになっていたといいます。
もちろんスティーブは発症前の脳は取り戻していません。しかし、中鎖脂肪酸を含む食品を習慣的に日頃の食生活に取り入れたことによってアルツハイマー病の進行を劇的に遅らせることができたのです。この経験を踏まえ、ニューポート医師は次のように語っています。
「脳での生理学的変化や機能低下は、アルツハイマー病の症状が現れる10〜20年前から始まっています。ですから、できるだけ早い段階から中鎖脂肪酸の摂取をスタートし、できれば毎日食べ続けることが重要だと考えます
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